農業が熱い!ドイツで広がる最先端な取り組み紹介~CSA、BIOマーケット、フードシェアリング、Camphill~

Möin!(北ドイツでの挨拶)

アイルランド、フェロー諸島、チェコ、スロバキア、ポーランド、ボンホルム島、ハンガリーオーストリアへと、カウチサーフィンとワーカウェイを駆使した怒涛の旅を始めます、が、(これをヨーロッパではChinese tourists またはJapanese touristと呼ばれ、1〜2日間の短い期間で写真撮りまくりながら国々を移動するスタイルを指します。よく見てますね!笑)やっぱり大好きなドイツには何回か戻ってくる予定です|´-`)

※ワーカウェイについては過去記事参照ください。

なぜそんなにドイツが好きかって?

まずビールが美味しい!

物価も安めで質が高い!

つまりビールが安い!

ベジタリアンになったのであんまり関係ないけど、ソーセージ美味しい!

つまりビールと合う!

もういいって?はい。

ヨーロッパの中でも、人々の環境への意識が高く、面白い取り組み(を始めるだけならアムステルダムも負けてませんが)や、支持した取り組みを広げて浸透させている点が秀でてると思うのです。

今回はそんなドイツで広がる

  1. CSA(地域住民×農業)
  2. BIOマーケット
  3. フードシェアリング(廃棄食品を福祉団体等へシェア)
  4. Camphill(障がい者コミュニティ×農業)

について紹介したいと思います!

1) CSA(Community Supported Agriculture)

CSAとは直訳すると「地域に支えられた農業」となる通り、自分の支持する農家(ファーム)の会員(メンバー)となり、会費という形で月または年会費を先払いします。農家はそのお金で種の購入や設備投資をし、定期的に野菜や果物、ファームによっては肉類やハチミツなどを分配します。

CSAにはいろんな仕組みのところがあるけれど、前払いという所がミソでして、豊作・不作などのリスクを生産者と分担ができるので、無農薬などのこだわりを持った小規模農家でも安心して専念、希少種にも挑戦できるのです。また、食の生産と消費について、直接的なつながりを持たせることで、生産者とそれを支持する地域のコミュニティとの 間に、強力なかかわりあいとパートナー・シップを生み出させる。それによって、地域経済を強くさせる目的も果たします。

ヨーロッパのスイスやドイツを経てアメリカで生まれたシステム…と聞くと何か遠いように感じますが実は、日本の30年前に始まった生産者と消費者の「産消提携」にルーツがあると言われているのです!

>働らいてみた

ということで、ドイツのCSAにて働いてみました!

150人のメンバーを1家族と3人の社員、常時8人程度のボランティアワーカーが支えているファーム。野菜、果物が中心ですが、鴨・羊・ヤギ・そしてアルパカまで飼ってました。卵は頂きますが肉を食べるわけではございません。糞が良質な肥料になるんですね〜✨あと、アルパカはやはりキャッチー。月に1度ある会員とのミーティングでも人気者。小規模とはいえマーケティングも必要なんですね。私は冬の1ヶ月を経験したため、2週間に1度でしたが春夏秋は週に1度、デポと呼ばれる配達デーがあります。

↑地域に8ヶ所あるピッキングポイント。

 友達のお宅の倉庫、スーパーマーケットの裏などのポイントへ配達します。メンバーは毎週配達日にポイントに訪れて、貼ってある種類・量の野菜を持って帰って名簿にチェックします。

>分かったこと

︎︎︎︎☑︎CSAで働いてるだけで、地域のワイナリーも安く売ってくれたりと地域で支えあっている実感がある。

☑国や地方行政のサポートも大事。

 ドイツでしっかり根付いているのは、消費者の意識も高いですが、川の水の使用許可、藁の援助、助成金など行政の手厚いサポートも後押ししてくれる事も大いに関係してます。その代わりペーパーワークも多いけどね!

右はEU全体で使われるオーガニック認証を受けた製品に、左のラベルは加えてドイツで認証、使用出来る。

2)ビオマーケット

そもそも、「Bio」とはドイツ語の『Biologisch(ビオロギッシ)』の略。
英語の『organic(オーガニック)』と同じで、『有機の』という意味になります。

野菜部門で言うと、

1. 農薬や化学肥料等を使用しないこと。
2.3年間基準を満たした土で栽培していること。
1の基準を満たしていても3 年経過していない場合はBIOと認定されない。という厳しさですが、この認証を通過していないのにBioを謳うのは禁止されてる。一方で消費者はオーガニックな商品を求めてます。

日本でいうと「JASマーク」が近いですが、使用料を商品売上に応じて生産者のみが負担しなくてはいけないため、せっかく有機で手間暇かけて生産してもマークを取らない農家もいらっしゃる。その点この「Bioマーク」はドイツ国家が認証するもので使用料はありません。

この、消費者の需要と国家の後押しが合わさってドイツではオーガニック農産物や商品がたくさん、しかも安価に売られてます。

ビオマーケットはそんなオーガニック商品のみを扱うスーパーマーケットチェーンです!!

食品のみならず、動物実験をしていない製品やオーガニックコスメなども豊富です!

>分かったこと

︎︎︎︎☑︎国の支援も大切。でも国を作ってるのは国民の意識。ドイツでは、農薬反対デモなんかも頻繁に行われてます。鳥のコスプレしたおじさんが正面から真顔で歩いてきて、冗談なのかな〜と案じていたらデモ帰りだった(´•ω•`)なんて事も(笑)

3)フードシェアリング

スーパーの廃棄食品やパン屋さんの売れ残ったパンを福祉団体や地域へ寄付してくれる動きです🍞

ドイツでは3ヶ所で働きましたが、そのうち2ヶ所がなんとフードシェアリングにより3食を提供してくれてました。(つまり実質ホスト負担なかったのね。)

日本でも売れ残ったお惣菜などを格安で買い取れるアプリなんかも登場してますね。

TABETE

…が、ドイツのフードシェアリングは無料なんですよ!だから<シェア>なんですよ!

その代わり、毎週時間通りに受け取りに行かなければいけませんし、どんな量・食品であっても全て引き取らなければなりません。

また、通常は個人にはシェアせず、福祉団体や地域への慈善事業として行われているため、引き取った大量の商品を整理して、大学や地域のシェアボックスへと配達もしてました。

閉店後のパン屋さん

なんと2)で紹介したBioマーケットもシェアしてくれてました✨

>分かったこと

︎︎︎︎☑︎ちょっと傷んだ野菜や賞味期限が近づいただけで食べられる食品をいかに捨てているか。

日本の食糧需給率が38%に対して廃棄率が30%。なんと一人当たりの食糧廃棄率は世界一。日本はそんな余裕ないはずなのは明らかなのに気づくのも対策も遅い。

☑スーパーの食品から出るプラスチックゴミの多さ。

食べさせてもらっといて何ですが、普段ゴミを買ってたのかな!?と疑うほどのゴミの量。そりゃキュウリ1本をわざわざ包装してたりしたらそうなりますわな。

ゴミの分別や廃棄料金を負担しなくていいこともお店側とシェアの交渉をする時に使える戦術!にも納得です。

4)Camphill(キャンプヒル)

キャンプヒルとは、発達障害、精神的健康問題、またはその他の特別なニーズを持つ成人および子供の教育、雇用、および日常生活を支援する住宅コミュニティまたは学校のことです。欧米を中心に100以上のCamphillコミュニティがあります。

>行ってみた

ドイツにも沢山ありますが、アイルランドのキャンプヒルカフェを訪れました。

ですがここは、特別なニーズをもつ方やそのご家族が暮らす場なので入居希望者以外のただの見学は行政の許可が降りません。ちなみに、住み込みのボランティアは最低期間1年から受け入れてるところが殆どです。

という訳でコミュニティ自体の見学は叶いませんでしたが、Camphillコミュニティが運営するカフェに行ってきました!

Camphill holywoodさん

職業訓練としてオーガニックファームを併設しています。オーガニックということもあり、ランチ時はほぼ満席。とっても美味しかったです。日本の職業訓練校でよく見られるような工芸品コーナーもありましたが、やはりメインは

有機野菜↑ 購入も可能でよく売れてました。

当日はいらっしゃいませんでしたが、コミュニケーションが好きなメンバーがホールで働いてる日もあるとのこと(^^)

>分かったこと

︎︎︎︎☑︎フォルケスホイスコーレ(生徒と先生が校舎内で共に暮らす学校)と同じく、皆同じコミュニティ内に住んで寝食ともに過ごす絆のパワーは強く、安心感が精神の安定に繋がる。

☑農業のパワー!園芸療法を療法で終わらすのではなく、それで自立できるんだから一石二鳥。

☑それでも寄付がないと運営は厳しいよう。

以上、何かとオーガニックが登場しましたが、これは私のアンテナが最近そっち方向だからか、世界の流れは持続可能で健康的な(LOHAS)食や生活への回帰に進んでいるからなのか分かりません。

皆さんは何を感じましたか?(‘∀‘ )

おすすめ記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA